『論語』を観念的にとらえる中国人…
人生のヒントを見出そうとする日本人…
日・中二つの側面から読み直すことで、『論語』の新たな世界が見えてくる!
中国語原文と日本の漢文、中国語現代文で読み比べ深く内容を考察する、まったく新しい論語本!
【音声CD付き】
本文で取り上げた50編の中国語原文と中国語現代文、さらに第2章で触れる『關雎』の原文朗読音声を収録しています。
★高校生が感動! 『論語』の佐久協先生特別寄稿中国語学校で『論語』講座を担当し大好評の講師・張武静先生による中国人の視点からの解説と長年に渡って『論語』を教え研究されてきた佐久協先生による広い視野からのポイント解説により、より多角的に『論語』を読み込みます。
・中国語精読教材として…『論語』という1つの素材を1冊を通して読み込むことにより、より作品の世界に入り込め、「読み応え」を得られる!
・自分自身で内容を深く考えるための問題提起…
自分自身で考えることにより、『論語』がより自分の糧に!
・『論語』から生まれた四字熟語と、用例解説…
中国語を使いこなすには四字熟語の知識は必須。語彙解説だけでは覚えにくい熟語も、その原点となった『論語』の原文とともに読めば、すーっと覚えられる! 〈音声ダウンロード可〉
「はじめに」より
私は中国で、大人たちが孔子を批判する一方、「『論語』の半分だけで天下は治まる」と話すのも聞こえてくる矛盾した環境の中で、『論語』を学びながら成長しました。
ところが日本に来て、私は『論語』がもはや天下を治めるといった高邁なものではなく、すでに日常生活の中に存在する一種の人生訓として学ばれるようになっていることを発見しました。中国での『論語』の捉え方とのあまりの違いに、私は非常
に戸惑いました。
2014年、日中学院に『論語』の講座が開設されました。中国人の私と日本人の受講生の皆さん。
それぞれが『論語』に触れてきた思想背景はみな違うにもかかわらず、私たちは一緒に「同じ道を志し」、「故きを温めて新しきを知り」、互いに「切磋琢磨」し合いながら、「和して同ぜず」を目指すことになったのです。
(中略)日本人だけでなく、日本に住む中国語圏出身の皆さんにも、この機会にぜひ読んでいただきたい一冊です。
中国語原文引用『古典経典蔵書 論語』(張嬰燕訳注、中華書局、2006年)